We are 最後のサバイバー全体に公開

以前から述べてる通り、鉄血のオルフェンズは「スペースヤクザ浪漫」である。
リアルな戦争描写が基本のガンダムシリーズでも、異色の作品となった。
いわゆる「MSでの大戦争」はもう、三百年前の厄祭戦で終わってるのだ。
だが、戦争とヤクザには共通点がある…それが「狂気と狂奔」だと思う。
ヤクザというのは、反社会的な存在故に、自分たちの社会を作っている。
それが仁義と渡世、そして筋を通すとかシノギで稼ぐとか、そういうの。
エンコを詰めたり鉄砲玉を送り込んだりと、独自の儀式が多いのが特徴だ。
ヤクザは、カタギの世界、まっとうな社会と縁を切った後ろ盾のない存在だ。
故に「普通でないヤクザ」が存在するための「普通じゃない作法」が育ったのだ。
それを法の支配よりも上位のものとして崇めて従うことで、自らを確立してるのである。
だから、我々カタギの世界から見ると、ヤクザは狂ってる…本当に頭がおかしい。
でも、彼らは狂った状態に身を置かないと、自らの存在理由を立証できないのだ。


あ、さて…友人から「鉄血(ガンダム)には、なんで航空機出ないの?」との呟きがあった。
目から鱗である…おお!と唸らされた、ながやんはロボ好き過ぎて気づかなかった。
ロボットアニメだからロボで全部まかなう、これは商業的な見方でしかない。
作中の価値観と世界観で、どうして航空機やヘリが出ないのかを考えてみたよ。
つまり、鉄血世界では「MSが戦闘機」であるということだと思う…た、多分ね。
航空兵力は「制空権確保」や「戦略爆撃」、あとヘリ等の「地上制圧」が主だ。
これらを全部、MSがやってるから、航空機というものが出てこないのだと思う。
また、MSより安いコストで戦闘ヘリや攻撃機を作ったとしても、多分無駄なんだ。
何故なら、それら全てが「MSに対して無力」だからだと、俺は解釈してみた。
実際、鉄血世界のMSは万能兵器として描写され、MSはMSでしか倒せない。
そのため、MS以外の兵器は全て局地的なモビルワーカー等に限られたのだ。
あくまで予測だが、三百年前の厄祭戦が「戦争=MS同士で戦う」って流れを作った。
その究極が阿頼耶識を搭載した(人間を生体コアにした)ガンダムなんだろうね。
そういう極端な決戦兵器をぶつけあう最終戦争、それが厄祭戦だったんだと思う。
もちろん、兵器という物に「万能」はないので、各所で航空機も使われただろう。
作中の時代でも、偵察機等の戦術ニッチェはまだまだ残ってるような気もする。
だが、偵察に出た戦闘機も、歩兵を駆逐するヘリも、戦略爆撃機さえも…
あの世界では「MSと遭遇すると勝率ゼロ、死ぬしかない」って感じなんだろう。
また、作中には輸送機も出てこない…これもMSが戦闘機であるからだ。
現代の世界でも「戦闘機を輸送する飛行機」がないのと同じですね。
逆に鉄血世界では艦船がMSを輸送、運用してる描写はありました。


あ、さて…鉄血世界では航空戦力というのは過去の遺物になってしまった。
でも、面白いことに「飛行機にやたら凝ったガンダムシリーズ」がある。
それが、みんな大好き1stガンダム機動戦士ガンダムである。
ご存知だろうか?実は1stガンダムには異常とも言える数の航空機が出てくる。
トリアーエズ、TINコット、デブロック、ジオンにもドップやドダイYS、フライマンタ…
ゲーム「ギレンの野望」を遊ばれた方は「航空機TUEEEEE!」って感じてるかも。
そうである、1stガンダムの世界観は、ちゃんと航空機があるのだ。
これは、1stガンダムは恐らく「MS=巨大歩兵」という観点だからだろう。
その証拠に、1stガンダムには飛行能力を持つMSが殆ど存在しない。
ガンダム、飛べません…だからGファイターが必要になってくるのね(笑)
興味のある方は是非、ガンダムの航空史を調べてみてください。
なんと雷撃機から攻撃機、戦闘機に戦略爆撃機まで多彩ですヨ。
でも、凄いな…多くの友人の着眼点に、ホント感心と感謝だじぇ…!