愛しい風に誘われて

今日は仕事の合間に、宮崎駿監督の引退会見を見てました。
長らく日本アニメーション業界の先頭を走ってた方の引退。
ゴールしてしまったという感触はでも、不思議と感じなかったな。
輝かしい栄光を伝説にして、そのまま神話になって消えてゆく…
そういう感じではないと自分は強く思いました。
ジブリのフラッグシップクリエイターという地位を降りる。
そうして身軽になることで、次のステップにポンと踏み出した。
悲壮感もなく、喪失感もあたえず、ただ普通に作り続けてゆくんだ。
宮さんは「自由」という言葉を使って、それを会見中も貫いた。
多分、今までジブリの看板を背負い、社員を守る仕事もしてきた。
同時に、日本中のアニメーターをどうにかしたいと戦ってもきた。
そういう旗を次代に譲って、個人の創作をする時期がきたんだと思う。


最後の最後まで、宮さんは宮さんだった。
ナウシカ続編に関する質問に「絶対にありません」と断言。
韓国メディアの零戦質問に「映画を見てもらえればわかります」と静かに語る。
イタリアが好きかというイタリア人に「イタリアは好きです」とにっこり。
なんか、心地よくも気風のいい、小気味よい人柄が素敵ですね。
こういう頑固オヤジに俺もなりたいと思ったよ。
宮さんは今は、休養の時期だとも言った。
けど、ジブリ美術館の展示物の仕事をしたいとも語った。
自分自身が展示物になってもいいんだけど、と笑ったんだ。
俺もいつか、ジブリ美術館に行ってみたいなあ。