我々は八年待った!

28歳と29歳と30歳のときと、32歳と33歳のときも僕はずっと! 待ってた!
…連載再開だろ!
デザインズもだ!
GTMの劇場公開だって待ってた!
あんたは連載再開の替わりに、旧設定の全とっかえを俺にくれるのか!?


…いや、正直に言うと「おったまげた」「パネェ」です。
最初は「ありえねー」とさえ思ったよ、信者の俺がね。
でもね…FSSは、永野作品はいつだってアバンギャルドなんだよ。
世間を見ろ、モーターヘッドの様式美を借りたロボの多いこと。
それはいい、悪いことではない、良い物を取り入れることは成長に繋がる。
でも、全てのデザインには意味がある、意味をもたせるべきだと思う。
例えば、どうしてモーターヘッドの踵が高いか知っているかい?
どうしてモーターヘッドが剣で戦うかわかっているのかい?
それは、緻密な世界観と設定に裏付けされた、必然なんだよ。
それが結果的に美しい、格好いいのだ…その表面だけマネても無駄だ。
ただ、永野デザインが日本のメカデザ世界で牽引力になったのはある。
永野デザインに憧れ育った人が今、プロの仕事で想いを昇華している。
素晴らしい、そういう人に俺も頑張って欲しいと思う。
でもね、永野先生はいつでもロック少年、反骨精神を秘めた先駆者なんだ。
周囲が追いつけば、引き剥がそうと加速する…際限なく、遠く先へと。
そういう永野先生に俺も憧れている、だから今自分の道を走ってる。
追い越したいとは思わないが、追いつきたい…並んで走りたい。
そしていつか、永野先生が持つバトンを受け取り、走り続けたいんだ。
そのバトンはきっと「永野スピリッツ」という名の気質、精神だと思う。


今日は本当に嬉しい日だ、月刊NTを読むのが待ち遠しかった。
ついに8年間の沈黙を破って、FSSは再び月に一度の娯楽として帰還した。
最高だ…誰もが思いもしない世界を、永野先生は突きつけてきた。
ゴティックメードの冒頭、カレンが本を手に持っていたのを思い出す。
あれは確か、FSSの12巻だったね…クリスティンが表紙だったもの。
あの意味が今わかった…カレンがね、古い本を全部持ち去ったんだよ。
あの時あの瞬間、古い時代は全てカレンが回収してしまったんだ。
そして今、新たなFSSの世界が広がっている…驚愕の新世界が。
嬉しいねえ、最高だねえ…思わず両親にふるまい酒しちゃった。
両親は永野先生知らないが、三人で「永野先生おめでとう!乾杯!」した。
ナルガ希少種さんも祝ってくれた、俺に朧月二つもくれたもん。
今、俺は幸せだ…新設定バッチコイ、新たな世界に裸で飛び込め!


昔、永野先生は∀ガンダムにこうコメントをした。
「ターンエーのデザインを格好悪いと富野監督に言う人がいなかったから」
だから、それが失敗だったんだと永野先生は言ってた。
事実、フジテレビで鳴り物入りで放送されたヒゲは低迷した。
でもね、∀ガンダムは全ガンダムを肯定する作品として評価されたんだよ。
俺も最初は拒否反応を示して、その後に強く惹かれて魅了された。
なんて優しいガンダムだろう…愛にあふれた作品過ぎたんだね。
そこには、あらゆるしがらみを脱ぎ捨てたデザインが必要だった。
だからこそ、シド・ミードの媚びず迎合せずなデザインがマッチした。
そして、富野監督の手腕は、そのヒゲすら格好良く動かしてみせた。
ターンエーがださいと言う奴、動いてる動画の、アニメの見てみ?
ターンエーは格好いい、ダイナミズムに溢れいきいきとしたロボだ。
同じことが今、再び動き出した、リブートされたFSSにも言えるだろう。
俺等は少しの拒絶と大いなる不安を感じてて、連載再開を迎えるだろう。
でも、その全てを咀嚼して味わうことで、きっと充足感を得られる筈。
少なくとも俺はもう、今この時点でも喜びに震えて興奮している。
Show Must Go On!日本最強の神話が今、再び歴史を紡ぎ出す!