またーり日曜日全体に公開
刃物は便利な道具であると同時に、他者を傷付ける凶器となる。
火は暖を取り食を豊かにする反面、国を焼く兵器にもなる。
飛行機は流通革命をもたらしたが、空を多くの血で染めた。
パソコンやゲームのご先祖様は、砲弾の弾着を計算するコンピュータ。
フランスで世界初の車ができた時、フランス人は二台目を作った。
世界で二台目の自動車ができた時「よし、競争させようぜｗｗｗ」と。
文明の発展と共に我々は、その恩恵に預かりながら持て余してきた。
我々人類は、手にした利便性で、何故か闘争をしてみたくなる。
新しい技術は戦争に使われ、戦争で技術が磨かれると錯覚する。
ダイテツ・ミナセ艦長は嘗て言ったよ…元はブライト艦長のセリフだが。
「戦争で文明が発展したとしても、得られるものと失うものは等価ではない」
俺もそう思う、戦争で文明が発展したというのは、結果論に過ぎない。
人は皆、戦争の度に虚しさを、悲しさと喪失感を味わってきたのだ。
その中から立ち上がるため、多くの命が失われた戦災から学んできた。
戦争による発展は全て、「せめて何か報われて欲しい」という祈りと願いだ。
大戦中に空を舞った戦闘機達は、今は公道で自動車として暮らしを支えている。
メルセデスのエンブレムは、あのマークは飛行機のプロペラを象ってるんだよ。
ポルシェは戦車作ってたし、新幹線の鼻の丸みにはゼロ戦の技術が使われてる。
ホテルニューオータニの回転展望レストラン、あれは大和の砲塔を回す技術だ。
IT技術に関しても同じ事が言えるんじゃないかと俺は思ったんだよね。
広島でLINEが関係する痛々しい、むごたらしい殺人事件がおこった。
年端もいかぬ十代の若者が、SNS特有の排他性の中で過ちを犯してしまった。
誰か大人が、良識のある人間がいれば、簡単に防げた事件のように思える。
同時に、簡単にそうした「うざい大人」を排除できるのがSNSなのだ。
排他性という一面が今、諸刃の剣となって社会に問題を提起した形だ。
一方で俺はと言えば、この週末はSNSで知り合った仲間と飲み会だった。
実際に顔を合わせてみると、誰もが気のいい人で楽しい時間を過ごせた。
SNSの持つ力が、俺のようなつまらない人間にも他者との交流をもたらすのだ。
LINEもまた、文明の利として富と害、豊かさと危うさを示し始めた。
どんな物であれ、活かすも殺すも人間次第だということを胸に刻みたい。
父が今日、会議で仲間達と激論を繰り広げていた時の出来事だった。
喧々諤々と議論する団塊世代の中で、いつもは元気な人がおとなしい。
「Aさん、どうしたんですか？なにか意見はありますか」と発言を促した。
Aさんはいつも、つばを飛ばして意見を主張し、大いに議論する人らしい。
それがおとなしいので、みんなの注目が集まり、Aさんは立ち上がった。
「それでは発言させていただきます…皆さん！…山田が負けました」
全員ずっこけた、父もズコーとなった、なんの話やねんって場が和んだ。
今日は「新五千円札ができるらしいが、盲人にもわかりやすく！」とか。
そういう話をね、みんなで議論してたらしいんだ、それなのにさあ…
でも、青森県の中でこれはちょっとした事件、革命みたいなものだ。
山田や光星といった強豪校が、立て続けに聖愛に敗れた…夏は魔物だね。
さあ、今年も暑い夏が、灼熱の夏がやってくる…燃えろ高校球児達！
青森ではこの時期、やすかたまつりというのが海で行われる。
ねぶた小屋が立つアスパム裏、青い海公園で開かれるフェステバルだ。
俺は、俺の家族はみんな、このお祭りが大好き…だった、過去形だ。
心地良い海風に吹かれ、みんなでビールを飲みながらステージ演奏を聞く。
市内高校のブラスバンドや、ジャズバンドの演奏が心地良い。
俺は某学校が演奏した残酷な天使のテーゼを熱唱したこともある（笑）
並ぶ屋台や出店も賑やかで、俺が贔屓にしてる店はいつも大混雑だったな。
俺、やすかたまつりには毎年白いジンベエを来てぶらから行くんだけどね。
「お、ジンベエのあんちゃん！まいど！」って、いつものオヤジは元気がいい。
家族三人でビールを買って、日本酒や焼酎も飲んで、焼き鳥焼きそば食って。
陸奥湾から吹く風は静かに凪いで、そよそよと涼しく猛暑を忘れさせてくれる。
夏の風物詩だったんだけど、今年は様変わりしてしまった…もういかないよ。
ステージはただただやかましく、ダンスやよさこいは俺達の趣味になじまない。
あんなに賑やかで華やかだった屋台もない、何故か食券制になってたし。
1,000円ひとくくりで売られる食券でビールやつまみを買う、ハンパに余る。
勿論、「食券買い足してね」って商法だが、はっきり言って祭の興を削ぐ。
レトルトを温めたおでんなどゴメンだね…いつものオヤジは元気だろうか。
どうしてこうなった…商工会の青年部よ、いったい誰得な祭にする気なの？
