ねぶた祭りを終えて

先日、つつがなく青森市ねぶた祭りが全日程を終えました。
参加した皆様、祭の運営に携わった皆様、お疲れ様でした。
多くの人間が影に日向にと支えてくれての、堂々の閉幕です。
なにはなくとも、ねぶたに関わる全ての方に感謝を伝えたい。
ありがとうございます、そしてありがとうございました!
また来年もいい祭になるように、心から祈り願うものであります。


因みにながやんは6日の夜と、7日の昼、そして花火を見ました。
7日は最後の日で、ねぶたを真っ昼間に運行するんです。
そして、7日の夜に賞を取ったねぶたが海上運行します。
海の上をはしけで動くねぶたと、その夜空を花火が飾ります。
非常に壮大、そして大迫力のフィナーレで結構好きですね。
さて…今年のねぶたではやはり、この話をしたいと思います。
前ねぶた(小型のねぶた)ですが、こちらの写真を御覧ください。

こちら、ウルトラマンセブンとエレキングのねぶたになります。
以前から「子供ねぶた」という枠があって、意外とおおらか…
人気アニメや企業のマスコットキャラがねぶたになりやすいですね。
なので、ほら!俺の大好きなヘボットだってねぶたになります。

ただ、青森のねぶたには少し前に苦い記憶が自分はありまして…
2015年のねぶた祭りで、スター・ウォーズねぶたが作られました。
しかしながら諸処の事情があり、運行されなかったのです。
ラッセ(ねぶた博物館)等での展示のみとなった、この一件。
本場ハリウッドの公式が監修した、素晴らしいねぶたでした。
しかし、ねぶたの実行委員会から「あれはねぶたじゃない」と。
広告性が強いとされ、ハリウッドやファンの意向は退けられました。
無形文化財としての伝統を守るという趣旨は、大いに理解できます。
しかし、祭とは文化、文化の本質は「温故知新」にあると思います。
古きを訪ね新しきを知る、どちらが欠けても祭は求心力を失います。
現状、ただでさえ跳人(踊る人)の参加者減少等が器具されてます。
何故、積極的に客が喜び人が集まるものを取り入れていかないのか。
ラブライブのねぶたはOKで、スター・ウォーズはどうsて駄目か。
前述の前ねぶたでは、様々な題材での作成が許可されています。
しかし、祭の華である大型ねぶたは戦国武将や三国志等に限られる…
それが実行委員会の言う「伝統」なのでしょうか?疑問が残ります。
伝統を誇示するなら是非、竹とろうそくの昔ながらのねぶたを!
本当の伝統って、明治と同じねぶたも最新のねぶたも一緒の筈です。
そんな訳で、自分は当時憤っていましたし、今もモニョってます。
でも、ウルトラマンセブンのねぶたは作られ、運行されました。
前ねぶたとしてでしょうけども、徐々に新しさも入っています。
因みにねぶたは、周囲に協賛してくれた企業や個人の名が入ります。
このねぶたに「アンヌ隊員ひし美ゆり子」の提灯がありました。
とても嬉しいことです、50周年本当におめでとうございます!



他にも面白いねぶたがありまして、こちらは天草四郎です。
なんということでしょう…天使やイコンが散りばめられてます。
因みに裏側(後ろ側)は、キリストの貼り付け等、宗教画チック…
今までこんなねぶた、ありませんでした…いい意味で「したり」です。
天草四郎は歴史上の人物、島原の乱を起こしたことで有名ですね。
つまり、伝統を重んじる側面から、見えないレギュレーションはOK。
堂々と天使を周囲に散りばめるという、凄いねぶたができたんです。


いろいろな意見があって、多様性があること、それ自体が財産です。
しかし、その多様性を公平に精査するトップもまた必要なのです。
ねぶた祭りに対する公益性とはなにかを、もっと考えるべきでしょう。
毎年戦国武将や三国志ばかりでは、そのうちネタ切れになります。
現状でもかなり苦しく、だんだんマニアックなモチーフが増えました。
歴史物でなければいけないが、信長や信玄、謙信はもうやっちゃった…
結果「知らない武将」「知らない歴史物」が増えた感はいなめません。
俺はね、是非ねぶたで「ガンダム大地に立つ」をやって欲しいんです。
大型ねぶたで、トレーラーから立とうとするガンダムをみたい。
なんでもいいんです、アニメや漫画に関わらずなんでもいい筈。
その年の話題や世相を大型ねぶたにするのだって、凄くいいと思う。
で、同時に明治時代の頃の竹とろうそくで作ったねぶた、やって欲しい。
LEDでピカピカなねぶたと、ろうそくのほの暗い良さ、同居して欲しい。
昔のねぶたはですね、中にろうそくが沢山入っていたんですよ。
だから、ちょっと揺れると引火して燃えるんです…竹と紙ですから。
それをね、水を含んだデカいほうきで叩いて消火するんです。
面白いでしょう?バケツとほうきの係が一緒に歩いてるんですよ。
…多分、現代だと消防法にひっかかるからやれないんだと思います。
でも、伝統を強く守る必要があるなら、まずこれが必要ではないですか?
LED電球に発電機乗せたねぶたを運行して、伝統を口にするなど笑止千万。
ねぶたには今、ルネッサンスが必要な時期がきてると強く感じました。