高潔なる気高き悪魔


この写真はマクギリス・ファリド事件終結後に撮られた物である。
イオク・クジャンの葬儀で公開されたクジャン家のガンダムフレーム…
三百年前の厄祭戦当時を再現された、ガンダムエリゴスの姿だ。
事件の終盤、イオク・クジャン専用機として調整、改修されている。
だが、イオク・クジャンはこのガンダムフレームを使わなかった。
クジャン家伝統の機体に、自分はまだ相応しくないと宣言したのだ。
高潔な彼の人柄が伺えると同時に、過ちを悔やむ姿が見て取れる。
彼の人徳は多くの家臣に慕われ、失われて知る偉大なカリスマだった。
これからもクジャン家は、多くの忠臣によって支えられてゆくだろう。



はい、そういう訳でクジャン家のガンダムフレーム、エリゴスです!
構想から完成まで半年以上かかりました…本日ようやく完成しました。
エリゴスとはソロモン72柱神の序列15位に位置する悪魔の名前です。
槍を携えて旗を掲げ、蛇または杖を持った端整な騎士の姿で現れます。
未来や戦争、隠された真実を語り、王の寵愛をもたらすとのこと。
この「王の寵愛」ってのがイオク様っぽくてよくないですか?
ラスタル・エリオンに評価されていた彼らしい悪魔な気がします。

で、彼は原作アニメではレギンレイズからグレイズに乗り換えました。
クジャン家にもガンダムフレームがある筈なんですけど…何故か?
ガンダムフレームには高性能機である以上の意味があります。
ガエリオもキマリスヴィダールを使ってたので、問題ないはず。
イオク様は失態を重ねたものの、写経と反省で成長を見せてました。
その彼が何故、再起の戦場でガンダムフレームを使わなかったのか?
やはり、自分はまだ未熟だと悟った、それがわかったんだと思います。
俺はイオク様が好きなので、そう解釈することにしていますね。



イオク様は「オジャン公」「頑張りすぎる無能」と評価は散々です。
でも、俺には彼は一つの正統派主人公のスタイルを感じましたね。
お調子者で高潔、気高い勇者で…増長して失敗し、反省して成長する。
今ではクラシカルと言える、ロボットアニメの主人公の姿ですね。
他には、昭弘が従来のガンダム主人公のスタイルを背負っていました。
肉親に目の前で死なれ、ガンダムに乗り換え、恋人の命を奪われる…
鉄血は三日月やオルガ、クーデリアやアトラが鉄血独自の世界観です。
一方で、従来のロボットアニメやガンダムにも寄り添っていたんですね。
で、イオク様は最後は昭弘によって復讐を遂げられ、死を迎えます。
仇を討った昭弘もまた、戦場に散っていきました…虚しいものです。
成長や達成、成功を得た多くのキャラが、戦いの中で死にました。
この無常観もまた、鉄血が訴えたかったテーマだったと思ってます。
戦争では良し悪しや強弱ではなく、誰もが平等に死んでしまうんです。
挫折と失敗、そして自分に向き合ったイオク様は成長していました。
彼が生きていれば、ラスタル体制の中で重職を担ったでしょう。
あるいは、彼がセブンスターズの中心に立つ人間になったかも…
ラスタルは彼を立てつつ、裏から調整役に徹したかもしれません。
ラスタルが評価した人徳、人格…それらが平和な時代に活かされた筈。
でも、そういう可能性を無残に奪ってゆくのが戦争という話でした。



さて、ガンダムエリゴスのベースはHGガンダムバルバドスです。
クタン参型を積んでるんですが、それに同梱されていたやつですね。
手足はそのままバルバドスを使い、他はパーツを注文してミキシング。
胸はキマリス、腰はキマリスヴィダールアスタロトオリジンです。
ただ、胸部に足りないパーツがあって、そこは加工し新造しました。
なので、素人工作故にちょっと胸部のすわりが悪いのが難点です(汗)
肩アーマーはグレイズリッターで、これも取り付けに苦労しました。
ガンダムフレームとグレイズフレーム、肩ジョイントの互換性がない。
なので、ガンダムフレームの穴を貫通させ、アーマー基部を接続。

頭部もバルバドスの物をベースに、ジャンクパーツでまとめました。
派手な角はこれ、Ez-SRマキシマの物にFA:Gバーゼラルドのウサミミ。
他には、オプションセット4のキマリスブースターをつけました。
イオク様に欠かせぬダインスレイヴも、ガンダムフラウロスから。
あとは平手のハンドパーツはオプションセット7のヴィダール用です。
それと、はいぱーギャン子の余剰パーツをサブアームに使用。
なかなかのキメラキットになりましたが、とても満足です。
下手なりに充実感と達成感があって、これはたまりません。
何より、大好きなイオク様に専用機を作ってあげられた…
それはとても嬉しいことで、ますます好きになりましたね。





イオク様と言えばダインスレイヴ、ダインスレイヴならイオク様!
欠かせぬマストアイテムなので、勿論装備させてみました。
最初はF91ヴェスバーをイメージして作業していたんですが…
完成してみたら、FSSの旧ルージュミラージュって感じですね。
オージェショルダーとビラルケマみたいで、これは格好いい!
鉄血のMSにはどこか、永野護先生のメカに通じる雰囲気がある。
実剣やメイス、斧で殴り合うという泥臭さも魔導大戦っぽいし。
で、ダインスレイヴですが、これはフラウロスの物を流用してます。
でも、フラウロスって厄祭戦の時代はショートキャノンなんですよ。
ただ、状況や年代に応じてダインスレイヴに換装したんでしょうね。
テイワズが発掘されたフラウロスを復元時に、ダインスレイヴに。
この時点でもしかしたら、イオク様の奸計が炸裂していたのかも?


ガンダムエリゴスですが、イメージとしては指揮官機ですね。
クジャン家当主が率いる軍勢の司令塔であり、フラッグシップ。
象徴的な意味もあるでしょうが、そこはガンダムフレームです…
アグニカのバエルと並んで、多くの武功を立ててきたと思います。
クジャン家がセブンスターの一角を担うのも、大活躍があればこそ。
因みにクジャン家の家紋、これはガンダムデカールで売ってます。
クジャン家はフギンとムギン…これはオーディンの下僕の鴉です。
オーディンは主神、言うなればアグニカだと考えてみると…
その下僕であるフギンとムギンを家紋にする、腹心の家系?
格好いい家紋で、肩アーマーのフロント左右にはりました。
本当は一回り大きい家紋のデカールもあったんですけどね…
これを貼るためだけに、盾を持たせたいなと最初は思ってました。
ただ、肩アーマーが派手なのでパーツが干渉しちゃうんですよね。


今回、青森のアメリカンパラダイス浪館店さんに助けられました。
工具から塗料まで、色々選ぶ時も親切にアドバイスを頂きました。
そんなアメパラさんの御厚意で、10/21から飾らせてもらうことに。
アメパラさんの企画するガンプラバトルイベントに出陣です!
いや、下手っぴだから恥ずかしくて今から死にそうなんですが(笑)
だって、いつも凄いクオリティの作品がならんでますからね…
そこに俺の作品が一緒に並ぶかと思うと、場違いでクラクラします。
でも「枯れ木も山の賑わい」って言うし、イベント成功して欲しい。
それに、こういうのもたまには楽しいな、楽しみだなって思いますね。