黄金の秋


この季節になると無性に、奥井亜紀さんの月の繭を歌いたくなりませんか?
俺はガノタだけど、ターンエーガンダムは最高傑作の一つだと思うよ。
それはさておき、今日はボージョレーの解禁日です、めでたいっ!
俺も確かに「こんなクソ若いワイン買ってバカス」て思うけどね。
でも、ボージョレーを無邪気に騒げるってのは平和なことだと思う。
今年もボージョレー買ってきた、飲んでみる…うん、美味しくない!
ワインの味は門外漢だけど、渋くて苦くて酸っぱくて、美味しくない。
だけど、今年も色々あったけど、無事に収穫の時期が終ったんだなあ…
感慨深い、もうすぐ訪れる冬を前に、豊穣の実りを祝い堪能する。
そういう気持ちが日本人に、ボージョレーを馬鹿騒ぎして飲ませるのかな。
日本人って、基本的に農耕民族だもんね、やっぱり秋は感慨深いのだ。


父は将棋を嗜む棋士で、段位を持ってる結構な腕前だ。
その父が一年に一回、11月に全国盲人将棋大会に必ず参加している。
過去三回優勝の実績があるが、今年は決勝トーナメント初戦で敗退。
俺と同じくらいの若い弱視の方に、圧倒的な読み負けを喫したらしい。
その前には重ね駒(もう駒のあるマスに駒を置くこと、反則)もやらかした。
もともと父も視力が弱いが、今までそんなハンデは感じさせなかった。
だが、老いが父の記憶力と思考力、なにより先を読む力を削いでいった。
そうして長い時間かけて徐々に衰えた父は…対に一線にいられなくなった。
父が先日、初めて引退を口にした…お疲れ様、寂しいけどよく頑張った!
わかってる、父が欲しいのはねぎらいの言葉じゃない、勝利なんだ。
父は将棋はガチ志向で、勝ちを目指してこそと心に決めている。
だから、勝てなくなった自分に趣味でとか道楽でとか、許せないの。
潔くスパっとやめる…かどうかは知らないけど、もう引退だと口にした。
父が大会から帰ってきた日は、みんなで酒を飲んで父を讃えた。
父はでも、自分の先輩の持つ優勝四回の記録を塗り替えようとしてた。
それが叶わずタイ記録で終わった、そのことをとても残念がってたよ。


今日は友人宅で久々にボドゲ、締切も終わって少し羽を伸ばした。
色々遊んだが、友人は盲人でもできそうなゲームも紹介してくれる。
父が忘年会で多人数で遊べそうなゲームを探してたので、ありがたい。
そんな中で今日やりごたえ抜群だったのは、登山ゲーム「K2」…ガチです。
最初に行っておく、雪山を舐めるな…山の前では人間なんてちっぽけだ。
そんな漫画「岳」の如き時間を俺達は共有し、山コエーってなったよ。
ルールは簡単、一人2コマの登山家を、手札の数字で登山させる。
登山家にはHPみたいなのがあって、昇ってる場所や天候で増減する。
HPを維持しつついかに早く昇るか、天気や手札を読む力も試される。
で、山は上に行けば行くほど、同じマスに入れる人数が少なくなる。
みんなで一斉に登るから、上の方では詰まってしまう現象が起こるのだ。
なにこれ、じゃあ最速登頂した後に道を塞げば勝てるんじゃね?
…そう思ったがザッツスィート、頂上付近はHPガリガリ削られる。
HPが0になった登山家は死亡し、点数が最低になってしまうのだった。
トータルでよくよく考えると、よくできたゲームだなと感心した。
登山の雰囲気もよく出てるし、ゲームとしてのバランスも取れてる。
運の要素もあるし、その手繰り寄せた運を活かす知能も要求される。
なにより簡単な夏山モードと、ガチで殺しにくる冬山モードが熱い。
夏山を制して楽勝ムードになった俺等は、冬山モードに挑んだのだが…
ごめんなさいすみません、山舐めてました、ほんとすんません!
今日の教訓、山を舐めるな…ボードゲームでも山を舐めるな(笑)