回る回るよ時代は回る

今日は、昨年末に亡くなった祖母の部屋を片づけました。
遺品整理は前からしたかったのですが、冬の間は無理だなと…
祖母の部屋は日陰で暖房器具も今はなく、とっても寒いのです。
なので、春になって暖かくなるのを待っての大掃除でした。


まあ、出るわ出るわ…平和だ躍進だ勝利だと、全部ゴミ。
罪を憎んで人を憎まず、あっという間に綺麗になった。
そんな中、手紙や写真が出てきて、つい掃除の手を止めてしまう。
祖母の古い写真は、嫁入り直後の母や、生まれた当時の俺のもの。
他にも祖母の卒業アルバム、修学旅行写真、結婚式アルバム等…
嗚呼、昭和八年だねえ…弘前女学校卒業、お嬢様だったんだねえ。
祖父の写真も沢山あった、昭和という時代が凝縮されていた。
当時の帝都の風景、道をゆく戦車、カーキ色の市民生活…
祖父とその戦友の写真、出征する方を囲んでの写真などなど。
祖母は大正に生まれて激動の昭和を生き抜き、平成の世に永眠した。
この大きく変化してゆく日本の中で、百年近く生きたのだ。
写真って凄いなって思った、写真残したがる人の気持ちがわかるなあ。

ところで愚妹様、そしてママ上…俺が写真に手を止めると注意する。
けど、貴金属やアクセサリーが出てきたら、女性陣の手は止まった。
いやあ、ほとんどガラス玉でしょ、そんなでかい宝石あるはずにい…
アメジストもどきやらエメラルドもどき、指輪に腕輪にネックレス。
相続に関しては全部終わってるし、父の兄弟でも話はついている。
ここにあるのは捨ててもOKなものということだが…なんか凄いね。
そうこうしている間も俺はタンスや戸棚の遺品をガンガン整理する。
うわぁ、叔母の結婚式の写真とかも出てきた…なかなか処分しにくい。
そんな中、愚妹様は「現金出てくるかもね」と…HAHAHAご冗談を。
と思ったら、タンスの奥から新渡戸稲造先生がコンニチワ!ウマー!
他にも硬貨が何枚か…1964年かあ、東京オリンピック記念硬貨だね。
他にも札幌五輪や沖縄エキスポの記念硬貨も出てきたみたいだ。
そして驚愕、でかい旧50円玉!さらに昭和25年のアルミじゃない1円玉!
ううん、時代を感じるなあ…今は昔、昭和は遠くなりにけり。


父の盲学校時代の担任からの手紙や、父の直筆の手紙も見つかった。
担任の先生から「長物くんは三学期にサボタージュを覚え」とある。
父はクラス委員もした主席の筆頭盲学生、同時にワルだったらしい。
そしてやっぱり、昔からクラシックの音楽が大好きだったらしい。
今でもでかいYAMAHAのスピーカーでモーツァルトを聴くのが好きだが。
当時の手紙に「ベルリンフィルを聴いた、サイコー!」とある。
母も懐かしそうに振り返っていた…当時から付き合ってたのだ。
父の手紙を祖母は大事にしまってた、少し救われた気分だね。
人は死に遺品は処分され、その何割かは思い出となって残るんだねえ。