IGNITION THE DREAM!!

2015年…TV番エヴァンゲリオンの年だけどね、この年は確か。
モータースポーツの最高峰、F-1の舞台にあの咆哮が帰ってくる。
甲高いエキゾーストが再び、陽炎立ち上るサーキットに響き渡る!
ホンダ、四度目のF-1参戦決定、しかもマクラーレン・ホンダ
覚えているか、紅白に染め抜かれた伝説のマシンを。
知っているか、世界を震撼させた日本の技術と魂を。


ホンダには、常にモータースポーツで結果を残すという企業理念がある。
「レースで遊んでる暇あったら技術や営業やれよ」って思うかもしれない。
けど、実はモータースポーツに参加して世界と競うことは意味がある。
モータースポーツの最高峰、F-1で戦うことは技術を磨く最善の道なのだ。
技術というものは、研究室で高めるのにはどうしても限界がある。
厳しい現場、ゼロコンマゼロの世界で勝敗を競う場でこそ、試される。
モータースポーツを道楽という人はいるし、そういう側面は否定しない。
でも、F-1マシンを構成する部品の精度は、宇宙ロケットや戦闘機並だ。
F-1の搭乗者はだから、「ドライバー」であると同時に「パイロット」だ。
F-1マシンは、ゼロミクロンの世界まで精度を高められた芸術品なのだ。
例えばエンジン、一度走れば全部分解、ほぼ全ての部品が交換されてしまう。
瞬間的な最高性能を引き出されたピストンやクランク、シリンダ…
それを作り出す技術が、市販の実用車や商業車、乗用車に活かされる。
今、公道を走る車は全て、数十年前にレースで戦った遺伝子を持ってる!


ながやんは雪国の人で、この青森では4WD車がかなり普及している。
この4WD、一番最初に実用化させたのはアウディだったと記憶している。
アウディ・クワトロ…クワトロは数字の4って意味なんだよね。
だが、4つのタイヤを駆動させつつ、前輪2つが舵を切るんだぜ?
当時の技術では難しかった、4WDは曲がらない、は昔は普通だった。
だが、多くの技術者の熱意と向上心が、次第に状況を変えてゆく。
4WDは絶大なトラクションと加速性能、走破性のままに、操作性を得る。
様々なアプローチで、多くの技術者が4WDを曲がる、曲がれる車にした。
今では、WRC等のラリーでは4WDじゃない車はほとんど走っていない。
ランエボインプレッサプジョー206、フォードフォーカス…
WRカーは皆、4WDだ…長いラリーの歴史の果てに、そうなったのだ。
そして、ラリーで荒地を、荒野を、雪原を走った4WDが市場に出回る。
こうして人類は、文明を育ててきたんだなあと俺は感動するんだ。
人は挑むことで己を磨き、競うことで己を高めると痛感させられる。