同人古今物語

両親と週末はよくお酒を飲む。
そんな時に話すのは、政治や経済、スポーツ、時事だ。
団塊世代の両親は喧々諤々と議論するタイプで、俺もタジタジ。
俺は、よってたつ物を持たないので、最近はおとなしくしてる。
俺は無知で、学力も教養もない、そのことを思い知らされた。
できればもう少し娯楽な話題がしたいんだけども。
両親とは趣味も違うし、共通の話題が乏しい。
でも、居心地が悪いかといえば、そうでもない。
人の話を聞いて自分の考えを整理し、考えてみる。
何が正しいのか悪いのか、そう簡単に答は出ない。
物事は多面性があって、多くの要素で成り立っている。
その全てをポジティブにするのは難しいと思った。
難しいと知った時どうするか、妥協か諦観か…挑戦か。
あんまし難しいことはわからないから、頭痛くなっちゃう。


そんな中でも、「最近どうよ」的に話を振られる。
んー、まあ仕事もプライベートも充実でしょうかね。
我が家は家族三人、あいかわらず暮らしは楽じゃないけど。
患者さんや友人からのおすそ分けがありがたく、三食不便ない。
先日も父の治療院の患者さんが、素晴らしい鮎をくれた。
青森にはこの時期、金色に輝く鮎が釣れる渓流があるのだ。
早速、夕餉の時に塩焼きにした焼きたてをいただく…美味い。
日本人に生まれてよかった、鮎は確か食べる作法が独特なんだよね。
えっと、頭を取ってスポッと骨を…あ、あれ?こう、ズボッと…
ガハハ、丸かじりうめえ、こまけーことはいいんだよー!
今日も狩友の大剣さんから、沢山のお野菜をいただいた。
大剣さんとその弟のスラックスさん、実家が農家さんなのだ。
いつもおすそ分けを頂いてありがたい、母がホクホクしてた。
自分は大勢の人に生かされてると思った、いざ生きめやも!?


んでまあ、酒飲みつつ「おもろい話題ふれ」となる訳です。
んー、あー、そうそう…友人の同人誌を手伝ったよ!
父よ母よ妹よ…まあ、妹は東京だが(笑)
趣味とエロスの風車が回るよ(股間で)
毎年夏冬に同人誌の即売会があってと、そこから説明。
「昔は俺も沢山同人誌を作ったもんよ!」と遠くを綺麗な目で見る父。
「私もよ、うふふ」と昔を懐かしんで焼酎を注ぎ足す母。
や、それってあれですよね…短歌とか俳句の同人誌ですよね?
今年はコミケが五十万人を超す大盛況で、と言うと。
「いいねえ、俺も昔はいろんな結社で」…今は結社言わんよ、サークルよ。
叔母や祖母も同人誌やってたのよ、と母も得意気だ。
父や母の中で、今も昔ながらの同人誌が大盛況という錯覚が…
い、いかん!誤解を解かねば!と思ったんだけど、これが難しい。
さて、どうやって説明したものかと焦ったよ…ムズカシイネー!
でも、今も昔も「同好の士で作る冊子」だから同人誌、だよね。
好きこそものの上手なれ、という言葉には昔随分励まされた。
日本でこの文化が末永く続くために、何ができるだろうか。
関わる全ての人が、百年先もコミケがある暮らしを守りたい筈。
買い専も腐女子も、なのは完売の人もきっとそう…守りたい筈。
既に趣味レベルを逸脱しつつある巨大イベントの今後に、俺は何ができるか。
何もできないうちは祈り願うとして、できることからコツコツとだね。
そういう参加者が増えたら、きっとよりよくなると思いたいな。