荒野を走れ、どこまでも

冗談を飛ばしながら!イェア!
そんな訳で、家族でまた下北半島に遊びに行きました。
昨年旅行した話をしたら、愚妹様がいきたいとおおせです。
そんな訳で一家四人+彼氏さんでいっちゃいました!
下北半島日帰りツアー、マイカーで行く尻屋半島の旅。
因みに往復の道すがら、なにか音楽をと思ったのですが…
父が山ほどクラシックのCDを持ち込んでくれました。
おいい、なんでここでショパンとかかける…寝せる気か(笑)


朝八時出発、まずは軽く二時間後にヨコハマで買い出し紀行。
ええ、横浜ですよ…青森県横浜町、菜の花の国でござる。
マジだよ、普通だって…福島には新宿とか赤坂もあるんだぞ!
青森にだって銀座や横浜があらあ…そんな訳で横浜町の道の駅に。
道の駅って、どうしてこんなに商品力があるのかしら。
トイレ休憩して珈琲なんか飲んだりするかたわら、名産品に目が行く。
「これを買おう、守!」…父は笑顔で地ビールを…ハイハイ帰りにね。
まずは本州最北端の東側、つまり最北東端の尻屋崎を目指す。
ここには、放し飼いになった寒立馬がたくさんいるんですね。

写真を御覧ください、寒立馬です、お馬さんです!
尻屋の寒立馬は、極寒の真冬でも毅然と立ってるって話です!
…話です、そういうふれこみなんです、けど…うん。
まあ、立ったり立たなかったりですよね、フリーダム!


次は市内で蕎麦を食って、とうとう恐山へ。
俺、前から「恐山は空気が違う」って言ってるのよ。
でも、父も母も昨年大爆笑だったし、愚妹様も「ハッ」って顔。
ぐぬぬ…本当だってば、あそこはマジでガチンコ霊場なんだって。
霊場であるその歴史や宗教的背景は、みんなわかってくれる。
だが、そこが本当にある種の異界であることをわかってくれにい!
俺は無神論者、即物主義者だ…目で見て耳で聞いたことしか信じない。
神も仏も信じてないので、勿論幽霊だの魂だのも知ったこっちゃない。
けどね…恐山で実際に昨年、俺は肌で感じたのだ…ッベー!って。
そんな話で笑われながら恐山に到着、硫黄の臭う三途の川を渡る。
彼氏くんが「うわっ、やば…やばいですよこれ」って…ほらね?
わかるんだって、異質なこの空気が…厳かな中に張り詰めた雰囲気が。
…でも、ヤバイヤバイ言いながら彼氏さんはカメラのシャッターを切る。
うん、カメラマンだからね、生粋の…こ、怖くはないんだ…そ、そうか。
バリバリ写真を取る彼氏くんを放置して、両親と参拝料を払い奥へ。
へー、無間地獄って16兆3000億年もかかってやっと生まれ変われるんだ…
や、前の団体を連れてるガイドさんの声がでけえから聞こえちゃうの。
そして俺等は、荒涼たる死の大地を歩き、生けるもののない岸辺へ。
宇曽利湖の岸辺は静かで、ただ安らかな祈りに満ちて穏やかだった。
俺は大好きな小説「渚にて」に引用されたT・S・エリオットを思い出す。


このいやはての集いの場所に
われらともどもに手さぐりつ
言葉もなくて
この潮満つる渚につどう…
かくて世の終わり来たりぬ
かくて世の終わり来たりぬ
かくて世の終わり来たりぬ
地軸くずれるとどろきもなくただひそやかに


なんだか世界の終わりは多分、こう静かなのだろうかと妄想したことよ。
やっぱ恐山パネェ…ただの心霊スポットじゃない、神聖な場だよな。
その厳かな空気をつまらぬことで汚さぬよう、そうそうに立ち去る。
積まれた石、無数に咲き誇る風車…多くの無念と哀悼の念が入り交じる。
ふぅ…恐山怖い、今夜一人で眠れるかしら…怖いよう。
因みに父の話では、元は宇曽利山という名前だったとか。
ウソリというのはアイヌ語らしいが、それが訛って恐山。
あー、なんかこの世の果てを見てきた気分だウボワー!


そして、まかど温泉で夕飯を食って帰宅…ああ堪能した!
因みに父が欲しがってた恐山ビールを買って帰りました。
他にも父は、東通村ジュラ紀水で作った地酒を買った様子。
…好きねえ、ホント…さあ、楽しい酒盛りの時間である。
明日には愚妹様は彼氏さんと東京に帰る、お別れパーティだ!
運転も終わったし、楽しく飲んで月曜からまたがんばろう!


「お兄ちゃんっ♪ …TSUTAYA行かなきゃ」


…へ?お前様は何を言っているんだ?


「あのね、こないだ借りたDVD…一本だけ新作だから。今日までに返さなきゃ」


お、おう…(;^ω^)


「気をつけていってね♪ みんな飲まないで待ってるから」


お、おう…おおう(´・ω・`)


父の秘蔵のクラシックコレクションを吐き出したコンポにCDをセット!
B'zを聞きながら夜道を走る俺の目から涙が…涙が止まらない!
なんだよチックショォォォォォ、どうしてオチをつけるんだ愚妹様ぁぁぁぁ!
…あ、愚妹様の烏龍茶が切れるな、買っておかねば…いそいそ。
そうそう、サントリーじゃないと駄目なんだよね、サントリー
ふぅ…俺の妹がこんなにドSなわけがない…ありがとうございます!
明日は新青森駅まで愚妹様を送ってあげないとな、オラップ!