【まどマギ映画ネタバレ】孤高の反逆者

現在絶賛公開中の映画、劇場版まどか☆マギカのネタバレ日記です。
ネタバレを見たくない方は気をつけてくださいね。

虚淵玄先生の作品は自分は、小説として形になってる物しか触れたことがない。
PCゲームはやらないし、脚本を担当されたアニメもまどマギくらいしか…
ガルガンティアは凄くみたかったのですが、これからDVD等でって感じかな。
虚淵玄先生の真骨頂って、個人的に「絶対的破滅、絶望エンドの中の希望」なの。
いわゆる鬱エンドっていうか、本当にもう救いがない、容赦無い終わり方なの。
でも、その中に必ず小さな希望を残す、まるでパンドラみたいな作風に感じる。
Fata/ZEROでもそうだったし、今回のまどマギでもちゃんとその色は出ていた。
作家性として昇華した氏の持ち味で、とても素晴らしいものだと感動した。

雑誌では「気持ちを強く持って見てくださいね」とコメントされてたからね。
ある程度の絶望的結末には、ある程度備えを持って気構えて挑んだんだけど。
やっぱり俺は個人的には、誰の目にも明らかなハッピーエンドがよかったな。
毎日の暮らしが辛くて苦しいこともあるから、娯楽映画では癒され和みたい。
映画って、アニメって、無条件に気持ちが安らぐものでもあって欲しいな。
それはまあ、まどマギに求めなくてもいい要素なのかもしれないけれども。
ただ、今の流行りというか、スタッフロール後の映像は流石だなと思った。
上手く余韻を生かしつつ、ほむらの歪な情愛の末路を表現してたように感じる。
きゅうべえがボロ雑巾になってたのは、ファンには溜飲モノだと思うしね。
でも、俺は「見る側の想像にお任せしますね」というのは、実は好きじゃない。
あのラストシーン、ファンが語らい考察を交える、そういう楽しみを与えてる。
ファンの数だけファンの望むラストがあって、どれも正解でいいじゃない、と。
こういうやり方は洒落てるし、小粋だし、でも俺はなんだか釈然としないのだ。
仮にあの最後に明確な答があるのなら、それが伝わってるとは言い難い。
俺は冲方丁先生の「わかってください、は無駄」という言葉を思い出す。
勿論、まどマギのスタッフが誰も「わかってください」と甘えてる様子はない。
だからこそ、あの曖昧な、しかし目が離せない映像美が惜しく感じるのだ。
今、そういう演出が流行ってるし、正解を濁して明暗をわけないのも手法だ。
俺が偏屈でわからず屋だから、まあちょっと俺は好みではないって話なんだ。

でも、杏子ちゃん大好きな、カプはほむあんが大好きな俺にはご褒美でした！
最後はほむまどでガチ百合に走っちゃって、そこだけ残念だったんだけども。
友愛と言うには執念が強過ぎるし、恋愛を飛び越えた妄念を感じたね。
ヤンデレパワー全開なほむほむの魅力が、俺には好ましくも思えたけども。
かつて親友が、全ての魔法少女を救済するべく神になって己を消してしまった。
ほむほむは、神の中へ消えた親友を取り戻すため、悪魔となって反逆する！
摂理から最愛の者を切り取るという、ただ自己の欲望のために戦うのだ。
銀英伝のロイエンタールみたいだね…人は時として、純粋過ぎる欲望に勝てない。
祈りと呪いは表裏一体、望み欲する気持ちは秩序や良識をたやすく凌駕する。
こうしてアルティメットほむほむは、まどかを取り戻してウマーなのだが…
ここに虚淵玄先生の「ただ一つ光る希望」が残されていて、唸らせられた。
魔法少女救済システム、円環の理から切り離されて人間に戻ったまどか。
そして、そんなまどかを己のためだけにゲットして、満足しているほむほむ。
だが、ほむほむの利己的な愛情をまどかはやんわりと否定してしまうのだ。
かつて究極の自己犠牲を行った少女は、対極の選択をしたほむほむを否定する。
ほむほむのとった手段を否定するのであって、彼女自身を否定はしないが。
ただ、ルールやモラルよりも愛を選ぶことを、まどかはよしとしないのだ。
その純真で真っ直ぐな想いが自分を否定することを、ほむほむは喜んでいる。
それは、ほむほむが好きなまどかの本質だからだと俺は思ったんだよね。
だから最後、まどかの敵になることを確信して、その時を迎えたんだと思う。
きゅうべえがボロクソだったのは、あれはトリューニヒトポジなんだよ（笑）
ロイエンタールが最期、死ぬ間際にトリューニヒトを始末するのと同じ。
最後に闇夜の空へ身を躍らせるほむほむは、反逆愛を完結させたんだろうな〜

ところで俺、杏子ちゃんがめちゃくちゃ活躍したのでとっても嬉しかった。
あんさやカプとか普通じゃん、俺は別に…って思ったてたけど、改宗しまんた！
みんな最高です、あの五人はめちゃくちゃかわいいです…最高でしたお。
特にほむほむとマミさんのガチンコバトルに血が滾った、最高のバトルだった。
改めて「実は強いマミさん、伊達に先輩じゃねえ」とうならされたのでした。
杏子ちゃん制服姿かわいい…食べっぷりかわいい、バカなとこもかわいい。
ほむほむとのバス旅行最高でした、ほむあん主義者の俺にはご褒美でした！