友が来たりて幸を運ぶ


沖縄から十年来の友人が遊びに来てくれる。
春秋に青森に来たことはあるが、冬は初めてだ。
しかも、この一番雪が激しい2月にだなんて!
今年は雪が少ないのだが、堪能いただけただろうか。


到着と同時に、天気のよかった空が一変…
ホテルに送るまでの短時間で猛吹雪になる。
しかしめげずに、まずはAファクトリーでおみやげ探し。
友人が仕事場の同僚への土産物などを購入、宅配便。
今は便利なもので、沖縄へも数日で荷物が届く。
そうして買い物を堪能し、次は帆立小屋へ。
掘っ立て小屋ではない、「帆立小屋」である。
生きたホタテを釣って喰うという、観光名所?だ。
ながやん、手堅く三枚釣る、友人の釣果は一枚。
でも、釣れなくても二枚は食べさせてくれるから安心。
ホタテを焼いたり刺し身や寿司で食べつつ、再会に乾杯!
そんなこんなで河岸をかえて、
「飲もう」
「飲もう」
そういうことになったのだった。
漁師が親父をやってる居酒屋で飲む、ぐびぐび飲む。
思い出を語らい、近況を語らい、創作や妄想を語る。
とても素晴らしい時間で、俺の多幸感がマッハ!
本当に友達というのはありがたい存在である。


次の日、友人を愛車に乗せて一路五所川原市は金木町へ。
太宰治の生地、金木町にてとあるツアーに参加するためだ。
その名も素敵「地吹雪体験ツアー」…ガチンコである。
まあ、金木町に向かう車中で猛吹雪にあい、びびったが。
だが、無事故でどうにか到着、まずは斜陽館を見学する。
太宰治の生家で、ここはとても見どころのおおい施設だ。
当時の建物がまるまる(本館のみだが)残っている。
かの文豪はここで生まれて育ち、出てゆき戻ったのだな。
じっくり見学して、そのまま隣接する土産物屋で昼食。
そして目玉の地吹雪体験ツアーへ…わくわく、どきどき。
正直ね、なめてた…俺は青森っ子だから大丈夫!ってね。
…本場の地吹雪すげえ、もう「寒い」ではない…「痛い」である。
吹きすさぶ日本海からの風は、青森市内とは冷たさが全然違う。
そして、舞い上がる積雪が象る地吹雪の痛いこと痛いこと!
しかし童心に帰っての雪合戦等、とても楽しい時間だった。
青森に帰ってからは、友人と郷土料理の店で軽く一杯。
バラ焼きや七戸馬刺し等を食べてもらい、津軽三味線を聞いてもらう。
ほろよい気分で帰宅後は、二次会と称して、
「狩ろう」
「狩ろう」
そういうことになったのだった。
狩人(かりんちゅ)が二人、またーりと過ごす。


次の日は最終日、東京方面になにやら不穏な豪雪注意報。
友人は予定を切り上げ、新幹線の切符を撮り直す。
浅虫水族館で展望風呂に入って、味噌カレー牛乳ラーメンでシメ!
そうそう、友人はおもむろにデビューのお祝いをくれた。
ありがたい…その気持ちが嬉しい、持つべきものは友…ん?
なんか、見慣れた本を出してきたな、ああなんかデジャヴュ!
「ながやんの本買ったよ!これにサインしてくれ!」
おおう、キター!そう言ってくる友人の多いこと多いこと。
だが内心嬉しい「しゃーないなあもう(ニヤニヤ)」である。
こうして新青森駅まで車で送り、友人は南国へ帰っていった。
聞けばその後、成田まで辿り着くのに苦労したとか…
数十年ぶりの大雪で麻痺した首都、大変だっただろう。
でも、楽しかったと言ってくれた、それがとても嬉しい。
次は俺が南国に行きたいな、温かな地で再会しようぞ!