それは私の心です!

友人と盛岡まで映画を見に行く。
何を言ってるかわかんねーと思うが以下略、これが北限の街青森じゃい(笑)
まあ、見たい映画を見るためなら、遠出の一時間や二時間は当たり前の土地だ。
今回見たのは、デジタルリマスター版のルパン三世カリオストロの城
長時間の運転を往復してくださった友人に感謝である。


今更カリ城かよとお思いのあなた…今だからなんですよ。
ちょうど今、俺は王政復古ならぬ王道復権にやっきだからです。
先日の東京旅行も含めて、今の俺の中で色々思うところがあって…
やはり、王道でなければいい作品、いい商品は生まれない!とオモタ。
変化球や隠し球に見える作品が実は、王道の良さを上手く使ってる。
俺もそうなりたい、そういう作品を生み出したいと思ったのだわ、ウフフ。


さて、今更という感覚もあるかもしれないが、カリ城がどれだけ優れたフィルムか。
例えば、開幕五分が完璧すぎる…あらゆる創作物の冒頭を凌駕している。
主題歌がかかるまでのアバンが、とんでもなく洗練されているのだ。
俺たちの業界は「最初の数ページは大事だよ」ってよくみんなで確認しあってる。
だが、そこに情報を圧縮して描写する技術と発想、これはとても難しいのだ。
カリ城冒頭、国営カジノからまんまと大金を盗み出したルパンと次元。
だが、それは全て伝説の偽札、ゴウト札だった…ルパンはその謎へ挑む!
こういう始まりだが、僅か数分の中にどれだけの情報が凝縮されているか。
まず、ルパンと次元が泥棒であること、それも凄腕であることが一目瞭然。
さらに、偽札を瞬時に見破ることで、ルパンの突出した能力を訴えている。
さらには、偽札となればためらわず捨てることで、泥棒としての気質も訴えていた。
それだけではないぞ、用心棒たちが追跡しようとしたが、車は輪切りになっていた…
ここには、第三の男五右衛門がいることが、密かに暗示されているのだ。
ぱっと見ただけで、予備知識のない視聴者に全ての情報が開示されている。
主人公は凄腕で観察眼と洞察力に優れた、プライドのある泥棒一味なんだ!
…素晴らしい、宮粼駿監督はとんでもないものを35年前に盗み終えていました!