陰影礼賛

日本人は「影」に惹かれて魅了される、そんなメンタリティを持っていると思う。
詳しくは谷崎潤一郎さんの随筆「陰影礼賛」を読んでみるとイイナー、俺はあれ好き。
そう、日本人は影にも魅力を感じる…だからきっと、映画が好きなんだろうな。


父の古い友人で、もう随分前に亡くなったおじさんが言っていた。
映画は絶対に映画館で見なければいけない、と。
ビデオ屋がポピュラーになってから、テレビで映画を見る機会も増えた。
しかし、本来映画は映画館で、スクリーンで見なければいけない、と。
その人の持論は「テレビは光を、映画館は影を見るものだから」だそうな。
御存知の通り、テレビは「光」を発して映像を映す映像媒体である。
しかし映画館のスクリーンは、映写機が投影する「影」を見るのだ。
他にも、映画館でしか味わえない音響だってあるし、雰囲気も大事だ。
永野先生の映画「ゴティックメード」がDVDにならない理由もここだと思う。
今日はそんな映画の話を、ちょっとしたくなったので、つらつらと。


黒澤明監督の「羅生門」、これが名作であるという話は誰も疑わないだろう。
だが、この作品…実は日本では「ボツ作品」だったのはご存知だろうか?
完成した時、映画会社は「こんなの売れるか!」と、お蔵入りにしたのだ。
それをイタリア人のとある識者が見出し、映画祭に出展したのだという。
当然、同作は喝采を浴びて栄誉ある受賞を果たし、日本に凱旋する。
映画会社は焦って、慌ててこの作品を配給したというのが事実なのだ。
映画祭での受賞を知った時、黒澤明監督は海へ釣りにいってたそうな(笑)
釣りから帰ったら、奥さんが「映画祭で賞を取ったわよ!」って…意外な話だよね。
だから今でも、イタリアでは登場人物が複雑に入り組む物語のことを…
敬愛を込めて「やっべー、ラショーモン状態だぜ、この話!」って言うんだ。
ホントらしいよ、びっくりだね…なんか、とっても嬉しい話だよね。


映画の話、終わり…どうでもいいけど、プラモ棚を少し整理した。
νガンダム(HWS装備)が、すげー不安定…すぐこけそうになる。
左腕のハイパーメガシールドも、背中のフィンファンネルも重すぎるんだよ!
だよなー、これって絶対重力下での運用を想定してないよな(笑)
これはもう、素直に飾る専用の台座を買ってくるしかないのかしら…
この後、ジムスナイパー2やライトニングガンダム、V2アサルトバスターが控えてる。
1/100にも挑戦したいしね、なんかすっかり楽しみになっちゃったのだわ。