エクソダス、するかい?

友達と一緒に「オーバーマン・キングゲイナー」を全話視聴しました。
自分は見るのは三回目くらいだけど、何度見ても素晴らしいアニメですね!
適度に黒富野と白富野、そして桃富野が混ざり合っています。
ストーリーに関しては割愛しますが、本当にキャラがイキイキしてます♪
素晴らしい、作画も脚本も演出も、勿論声優さんの演技も満点です。
キングゲイナーは自分の中では、ロボットアニメ傑作十選に入りますね〜


富野監督って、いわゆる「テレビゲーム」がすっごく嫌いな方なんですね。
で、主人公のゲイナー・サンガはゲームキング、ゲーマーなんです。
ここに、富野監督なりの「ゲームとの向き合い方」があるんですよね。
富野監督はゲームが嫌いだけど、作中でゲームを悪者にしない。
こういう創作姿勢って、なかなかできるもんじゃないですよね…
ゲイナーはゲーマーで、でもゲーム感覚で生きれない人間なんです。
だから、両親が死んだショックで引きこもりになって、ゲーム漬けになっちゃう。
リアルっていう現実の中が、ゲームほど上手くいかないって知ってるんですね。
一方で、シンシア・レーンというライバルキャラがいて、その子もゲーマーで。
そっちはもう、ロボでの戦闘もデートの段取りも、全部が全部ゲーム感覚。
正しく「人生というゲームを遊んで生きてる」って子なんですよね…その対比!
ゲーマーゆえのリアルに馴染めない主人公と、ゲーマーだから全部がゲームなライバル。
素晴らしい対決でしたね…その二人が最後、見事な親和性で一つになるんです。
余談ですが、交響詩篇エウレカセブンというアニメに、アネモネってキャラがいます。
これのモデルになったのが、シンシア・レーンだというのは有名な話ですね。


あとはやっぱり、ロボットアニメなのでロボ戦のダイナミズムはキモですよね。
今作では「オーバーマン」と呼ばれる、一種の超能力ロボが対決を繰り広げます。
それぞれ特殊能力のあるロボが襲ってきて、それを撃退してゆくわけですが…
これがまた、非常に面白い…ロボットバトルで超能力戦、スタンド対決みたいな。
ガンダムでチャンバラ、撃ち合いのロボットプロレスを極め、ファンネル合戦に失望した…
そんな富野監督が切り開いた、新しいロボットアニメの境地だったように思えますね♪


それに、今作は世界観が素晴らしんです…時は遠未来、地球が凍りついた時代。
世界の物流を支配するシベリア鉄道が、全てを牛耳って幅をきかせてるんですね。
富野作品の鋭さって、こういうとこに現れてますよね…経済と流通は力なんですよ。
世界の行政機関はロンドン(ロンドン・イマ)なんですが、ないがしろにされている。
ユーラシア大陸ではシベリア鉄道が正義、そんな中で徹底した管理社会が築かれている。
ピープルと呼ばれる市民たちは、食料供給をシベ鉄の配給に頼るので、なにも言えない。
そうした現状を打破する、それが「エクソダス」なんですよ…逃避、脱出、そして突破。
エクソダスという一大事業、そして旅の中で、主人公たちの成長がみられる傑作ですね!