激動の世界の片隅で

今日は少し退屈な話をします。
え?いつも長文ダラダラで退屈だって?
HAHAHA、ワロッサム!
…ちょっと体育館裏に行こうか?(笑)
冗談です、でもちょっと知ってほしい話です。
いつもつまらない話ばかりですみません。
よかったら是非、読んでみてください。


マララ・ユスフザイさんがドキュメンタリー映画になるらしい。
昨年、ノーベル平和賞を取ったマララさんは、現在イギリス在住。
「全ての子供に教育を」と運動する、立派な少女だ。
同時に、それ故タリバンに狙われ、祖国を追われたのだ。
俺は純粋に彼女を尊敬するし、応援してもいる。
だが、少し考えさせられるというか、俺はひねくれ者なのだ。
マララさんはパキスタンでも、非常に恵まれた家の出身だ。
父が経営する学校に通っていた、いわば金持ちのエリートである。
パキスタンには今も、貧しく教育を受けられない子供が沢山いる。
そんな子供たちのため、富める者が立ち上がる、これはいい。
でも、マララさんが脚光を浴びるほど、その影は色濃く刻まれるのだ。
パキスタンに「アメリカの無人機攻撃で家族を失った少女」がいる。
先日渡米し、遊説したそうだが…メディアは全く無関心だった。
彼女はアメリカ上院議員に手紙を送ったが、3人としか面会できなかった。
彼女とマララさんと、なにが違うのだろうか…少し考えさせられる。


シリアの領内に、パルミラ神殿という太古の遺跡がある。
いや、あったと言うべきか…この世界遺産は既に失われた。
ISISの攻撃によって、爆破されてしまったのだ。
シリアの考古学者が、最後までパルミラ神殿を守って死んだ。
ISISに最後まで抵抗を示し、殺されたのだ…無念だっただろう。
今、日本人のチームを中心に、シリアの文化遺産を守る動きがある。
本当に勇気ある行動だ、とても素晴らしい、頑張って欲しい。
でも、無理や無茶をしないで欲しい…あそこはもう、修羅の国だから。
シリアはもう、現政権が力を失い、テロリストが跳梁跋扈する魔窟だ。
ISISには理屈が通じない、我々の損得や善悪の価値観が通じない。
彼らはイスラム教徒ではない、言葉の通じぬ魔獣、犬畜生以下なのだ。
失われたパルミラ神殿は、とても美しいもので、今日テレビで映像を見た。
それが、巨大な爆煙に包まれ吹き飛ぶ写真も、見た。
胸が痛む…数千年の歴史を人は、一瞬で壊してしまうのだ。
朝からとても悲しい気分になった、胸が痛む。


パリでの同時多発テロが発生した際、真っ先に反応した国があった。
中国だ…中国は「我々もウイグルのテロと戦ってます、共に頑張ろう!」と発表。
だが、フランスは流石に自由と平等、そして博愛の国…格が違った。
即座にフランス人ジャーナリストが、反論の記事を書いたのだ。
「我々が受けたのはテロ、中国のそれは民族浄化、一緒にするな!」とね。
因みにそのジャーナリストがどうなったかというと…中国当局に捕まった。
今、厳しい取り調べを受けてると聞いているが、大丈夫だろうか。
ただ、多くの人に知ってほしい…新疆ウイグル自治区で今、なにが行われているか。
民族浄化エスニッククレンジングという蛮行が、今も続いている現実がある。
新疆ウイグル自治区に住む民は、イスラム教徒の遊牧民とかである。
しかし、あそこには豊富な資源…ウランやレアメタルがあるらしいのだ。
そして、突然近代化した中華民族が「ここは我々の土地アル」と攻め込んできた。
平和な暮らしをしていたウイグルの民は、突然母国語を奪われ、土地を奪われた。
高等教育は中国語でしか受けてはいけないという、突然の圧政を受けたのだ。
そういう状態で今、ウイグルの民に溜まった鬱憤がテロリズムとなっている。
テロリズムはケースを問わず否定するべきと思うが、その根っこも知るべきだ。
卑劣な民族浄化政策に対して、ウイグルの民が真に取るべき道は、なんだろう?
誰かが手を差し伸べてやらなければいけないのではと思うと、胸が痛い。