Gジェネ「」キャラ紹介・第07回「赤錆びて尚、夢は紅く燃える」

不定期連載企画、Gジェネレーション「」!
小説サイトカクヨムで人気のロボ作品が、俺のPSvitaに!
集え、戦士たち…ユニバーサルセンチュリー百年を駆け抜けろ!
…まあ、なんというか趣味です、ライラ姐さんのステ値に不満なアレです(笑)
ライラ・ミラ・ライラはもっと強いキャラだろ、なんだよこのステ値…
くそ、弱い!使っちゃう!溺愛しちゃう!弱いからこそかわいい、くっそ!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054880992456
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881198540
今回は、東雲メメ先生の「錆色ロボット」シリーズをご紹介。
シリーズでして、原点たる短編と、その続編のRebootで構成されてます。
簡単にご紹介すると、ガチで「ロボモノ業界の縮図」です。
ロボモノというジャンルが、ロボ好きだけの思い出産業な現状…
ロボ好きがロボモノを作り、ロボ好きしか見ないという現実。
そういう中で、「ロボを造る青春」を描いた作品…イェスだね!
こういう作品を生み出す氏に、ただならぬ気配を感じます。
主人公は幼少期、一人の博士に出会い、共に過ごします。
下町のさびれた工房で、ロボットを作る博士と少年の交流…
そして、現代の現実における「人型ロボット」の意味と価値と、意義。
どうしてロボットが、人の姿を象る必要があるのか?
その問に答えて吠えるには、博士は良識と常識の大人になり過ぎた。
そういう老人が残した夢を、主人公は引き継ぎ生きている。
毎日楽しく可笑しく、面白く…ロボットを造るために暮らしてる。
そんな青春ジュブナイル、それが錆色ロボットです。


・錆びついた夢のあとさき

今回は、主人公の向井光子郎君をお借りしました。
彼は大学生なので、部隊の中ではお兄さんということになります。
彼を一言で現すと、平凡、平和、そして平穏です。
ロボットが戦いとは無縁な、そもそも無用な時代の人間。
ロボットが単純作業を反復するただの機械でしかない時代の青年です。
そんな彼が、人型のロボットを造る夢を見る…それは愚かでしょうか?
生産性や社会定期な意義、利潤と利益がない行動は無意味でしょうか?
答は、否です…損得や利害は、全てその時、その時代が決めること。
行動や理念の本質は、決して一過性の価値観では語れぬものです。
そういうことを、多分光子郎君は全く知らず、理解していません。
彼はただ、本能的に、知的探究心と好奇心で動いています。
損か得かは、全く頭にない…そういう人間が見据えるものを、夢といいます。

これをご覧の方々は、一部の方は疑問に思いませんでしたか?
何故、東雲メメ先生からお借りしたキャラが、彼なのでしょう?
東雲メメ先生と言えば、「PEAXION-ピージオン-」が代表作です。
近未来を舞台に、多種多様な価値観と世代が織りなす群像劇…傑作です。
何故、アレックス・マイヤーズ君ではなく、向井光子郎君なのでしょう?
まず、ピージオンという作品、そして主役ロボが放つ異彩の眩しさがあります。
UC世界の百年の歴史に、ピージオンを表現するMS、MAはありません。
ピージオンは基本的に「量産機に毛の生えた電子作戦機」です。
その中に、世界を従え統べるプログラムを秘めているのですが。
そういう魅力的なオリジナルのガジェットを、ゲームで表現できません。
加えて言えば、氏が愛してくれたガンダムF91の世界が、実装されてません。
しかし、自分がアレックス君を選ばなかった理由は、もう一つあります。
Twitterで以前、「俺Gジェネやるンゴ、キャラ貸して!」と呟きました。
その時、多くの創作仲間、知人や友人が声をあげてくれました。
その中に、東雲メメ先生の名もありましたが、氏はこういいました。
「沢山の人がキボンヌするだろうから、俺の優先順位を最後にしてね」と。
おいい?なにいってんだ、惚れるだろ!濡れろだろ、孕ます気かあああ!
そういう氏の人柄がとても好きです、だから思いました。
「俺もGジェネ遊んでるから、俺は大丈夫」と言った東雲メメ先生。
彼のデータの中に、アレックス君はもしかしたらいるかもしれない。
そう思った時、光子郎君と一緒に、とあるMSが脳裏に浮かんだんです。
因みに、、光子郎君の声優さんは豊永利行さんが務めてくれています。
機動戦士ガンダムAGEフリット・アスノ(少年時代)を演じた方ですね。
戦闘BGMは、ポケ戦の「いつか空に届いて」…すげえ明るい曲もGood!
ポケ戦は大好きな作品で、またの機会に語りたいと思います。


・錆び果てた未来のゆくえ
厳密な意味で、自分が読む限り…錆色ロボットには主役ロボがいません。
すみません、全部読んだつもりですが、見逃している可能性も微レ存…
そして、浮気性の自分が続きを読み損ねてる可能性もなきにしもあらず。
いやあ、時間ってどうして足りないんでしょうね、ンガググ(ぉぃ)
しかし、モチーフとテーマの意味において、主役ロボが不在です。
ロボットノベルで主役ロボが不在、乗り換え前提の初代ロボすらいない。
この意味が現すのは、一つ…この物語は「永遠の第00話」なんです。
錆色ロボットは、第01話を迎える時、最終話にいたる作品と思います。
勿論、氏にその気がなくても、自分がそう勝手にハァハァしてます。
この物語は、人型ロボットに夢だけで突き進み、主役ロボを生み出す話…
故に、作中でのボーイ・ミーツ・ガール、友情と喜劇に主役ロボは不在。
光子郎たちは、主役ロボたる存在を自分の力で造るために生きてるのです。


・錆び終えて尚、魂は

原作でロボに乗らず、戦わず、ただ夢を追う楽しさと面白さの中の青年。
そんな彼が、GジェネのUC世界に放り込まれた時に、生じる齟齬…
戦争の中で敵機を撃墜するというゲームの圧力を、どう解決するか?
その難題の答は、単純でした…光子郎君に自分がなればいいのです。
ゲームを遊ぶ自分が、ロボを造る光子郎君と同じ場所に立てばいい。
一緒に見つめる地平の果てへ、共に並んで歩めばいい(ドヤァ!!
故に、彼が与えられたガンダムは、完璧の名を冠する機体でした。
パーフェクトガンダムは、ゲーム内では弱いユニットです。
ファン用のサービスで、一度戦闘デモを見れば解体される機体です。
弱い…なにせ、1stガンダムRX-78に毛が生えた程度の性能です。
武装こそ充実してますが、ステータスが低すぎる、弱すぎる。
フルアーマーとパージ機能のアビリティがあっても、有用ではありません。
では、なぜ光子郎君の機体がパーフェクトガンダムなのでしょう?
それは…人型ロボを夢見る彼に託した、子供の頃の俺の夢だからです。

自分がまだ小さな子供、小学生だった頃…熱中した漫画があります。
プラモ狂四郎…プラモでバーチャルバトルをする少年漫画でした。
主人公の狂四郎が、戦いの中で生み出したのが、パーフェクトガンダムです。
正確には、一般的に認知されるこのパーフェクトガンダムは二号機です。
皆さんがフルアーマーガンダムと認知してる機体の青色が、一号機。
そして三号機は、レッドウォーリアの愛称で親しまれていますね。
因みにマイナーですが、フルアーマーMk-2そっくりな四号機も存在します。
しかし、パーフェクトガンダムと言えばこのトリコロール、この機体です。

プラモ狂四郎の漫画では、パーフェクトガンダムは決戦用ガンプラです。
しかし、資金と時間、調達材料に制限のある狂四郎は苦心しました。
実はパーフェクトガンダムは、友達の廃材、廃棄パーツの集合体なのです。
例えば、シールドを留めている左腕のジョイント、これは腕時計のバンドです。
他にも、右肩のキャノン砲は水鉄砲の応用だったりと、意外とチープ。
でも、そのチープさ、子供らしさがいいんです…等身大を感じました。
幼心に、漫画の狂四郎が自分たちと同じレベルのお小遣いだと感じました。
狂四郎は友達から集めた廃材と不要パーツのパーフェクトでガンダムで戦います。
その姿は、仲間たちと一緒に、錆びて朽ちた夢を拾う青年に重なります。
パーフェクトガンダムが持つ、ハンドメイドな手触りと体温が、いい。
幼い自分が夢見て憧れた、あの頃のガンプラが感じられて好きです。

因みに、今回のGジェネではカトキハジメ先生のリファイン版で収録です。
原作のパーフェクトガンダムは、もっとダサ格好いい、野暮ったイカすんです。
パーフェクトガンダムは、いったい誰がデザインしたのでしょうか?
漫画のプラモ狂四郎を描いた、やまと虹一先生とクラフト団の皆様でしょうか?
実は…パーフェクトガンダム誕生には、ロボモノの歴史を揺るがす真実が!
皆様、フルアーマー、お好きですけ?アーマーパージ、ロマンですね?
その原点は全て、このトリコロールのヒロイックな機体にあるのです。
時は1977年、機動戦士ガンダムのアニメを製作中のサンライズ
後にマクロス板野サーカスを魅せた、アニメーターの板野一郎先生が原案。
板野先生は、1stガンダムではジャブロー出港時のフラミンゴで有名ですね。
そんな板野先生は、ガンダムの終盤のパワーアップを勝手に夢見ていました。
そして、仕事の傍ら紙に落書きした、とあるデザインを富野監督に見せます。
それが、パーフェクトガンダム…鎧を纏い武装を強化したガンダムです。
不採用となりましたが、それがプラモ狂四郎の漫画で蘇りました。
そこから逆算されたフルアーマーガンダムが、MSVとして描かれます。
そして、板野先生はマクロスでアーマードバルキリーをデザイン…
こうしてロボ業界はフルアーマー文化を得て、今日にいたります。
全て、このパーフェクトガンダムが出発点、原点、そして到達点です。
遥かな昔、もう四十年も前に、フルアーマー文化は生まれていたのです。
そんなガンダムを、主役ロボが生まれるまでの物語に俺は託しました。


・錆び果てぬ夢よ、今もまた
さて…ゲームクリアまで、光子郎君は活躍、奮闘、奮戦しました。
多分、原作の雰囲気そのままに、ヒーコラ言ってた筈です。
周囲がEx-SやHi-ν、サザビー等な中での、パーフェクトガンダム
それでも、穴のない射程で常に誰かの支援攻撃をしてました。
時にはエネルギーが尽き、アーマーパージしてRX-78で戦いました。
絶対、悲鳴あげてます、弱音吐いてます、あークソ!ってなってます。
でも…そんな彼が最後まで、パーフェクトガンダムで戦い抜いた。
勿論、レベルを上げたパーフェクトガンダムは、強いです。
しかし、強過ぎず、強くなりきれないユニットでもあります。
みんなが各個撃破する中、一人だけ敵を撃墜しきれぬこともしばしば…
でも、そんな彼を見ていて、一つの妄想が俺の中に生まれます。
これは「光子郎君が原作世界で遊んでる、ガンプラバトルでは?」と。
そう考えたら、どんどん苦戦が楽しくなって、ウキウキしました。
うおお、アーマーパージだぜっ!って、脱がすのも楽しかったです。


次回予告ッ!ラボでの息抜きに、ガンプラバトルを遊ぶ向井光子郎…
だが、ガンプラバトルで世界征服を目論むダークバトルに敗北してしまう!
愛機パーフェクトガンダムを破壊され、なす術がない光子郎と仲間たち。
そんな彼らの前に、謎の人物が現れ、ガンプラを使えと差し伸べる!
人知れず悪のガンプラ集団と戦う光子郎の前に現れた、男の正体とは!?
次回、錆色ロボット第38話「メイジン・カワグチ」…君の魂、錆びてないかッ!